ビューティー資格ナビ> 心理カウンセラーガイド> 被災地の子どもの笑顔を守る、心理カウンセラー
日本各地で起こる震災。恐ろしいことに遭遇したショック、大切な人を失った悲しみなどから、心が弱ってしまう人が数多くいます。
被災者が抱える心の問題、そしてそれに伴う体の変化は人それぞれです。対応を間違えてしまえば回復が遅くなり、症状が重くなってしまう可能性もあります。
被災者、特に子どもたちの心のケアは重要視されており、臨床心理士や心理カウンセラーが被災地に赴いて活動することも少なくなりません。
ここでは被災地における心理士、カウンセラーの活動についてまとめます。
子どもたちは親とのかかわり、友人関係、環境変化など、日常生活でもさまざまなストレスを抱えています。
大人と違って感情表現やコントロールがうまくできない子どもたちは、ストレスを発散することができず、ため込みがちになります。また状況を客観視できず、今後の見通しも立てられないため、大人よりストレスの度合いが高くなると言われています。
特に被災地の子どもたちは周りの大人の頑張る姿を見て、たとえ苦しくても我慢してしまう、無理して笑顔を見せるなど、気を遣いすぎてしまい、後にPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症することがあります。
心理士やカウンセラーが被災地でスムーズに活動するためには、早い段階で被災地に赴き、掃除や荷物運びなどの援助活動を行うと良いでしょう。見ず知らずの人に自分の体験や思いを伝えることは困難なため、まずは顔と名前を覚えてもらうことが大切です。そして食料や寝具が確保され、身体面・精神面がある程度整った状態である、落ち着いて話せる場所があるなど、カウンセリングを行うには事前準備が必要です。
大人に対しては声かけをしながらカウンセリングを行っていきますが、子どもの場合はただ話を聞くだけではなく、遊びを提供してあげることも有効です。被災地でできる遊びは限られますが、絵を描く、工作をする、子ども同士で遊ぶなど何かに熱中できれば自然とストレスが軽減されます。
また子どもたちなりに「役に立ちたい」という気持ちがあるため、簡単なことでも良いので、何か役割を与えてあげることもストレスを減らす手段となり得ます。
このように被災地での心理士、カウンセラーの役割は、通常とは異なります。被災者はもちろん、自分自身も過酷な状況に置かれるため、ストレスを抱え、二次被害者となる可能性も秘めています。活動を行う際には、無理をしすぎず、適度に休息をとり、仲間と連携して進めていくと良いでしょう。