ビューティー資格ナビ> ヘアメイクガイド> 美容師×メイクアップアーティスト ~ヘアメイク特別対談~
メイクだけでなく、ヘアアレンジまで担当するヘアメイクアーティスト。本日は、音楽タレントのメイクアップアーティストとして活躍中の大川さん(仮名)、およびヘアメイクアーティストと美容師を兼任されている吉田さん(仮名)のお二人に、ヘアメイクのお仕事について伺いました。
大川:よろしくお願いします!
吉田:よろしくお願いします。
大川:私は小さいころから、テレビや映画のキラキラした世界に憧れていて、タレントさんの真似をしておめかししたり、歌ったりするのが大好きでした。そのため、少しでも芸能関係の仕事に携わりたいと思い、メイクアップアーティストを志すようになりました。
吉田:私も昔からファッション誌が大好きで、よくそれを見ながら自分や妹のヘアアレンジをしていました。上手にできたときや喜んでもらえた瞬間が本当に嬉しくて、ヘアアレンジを仕事にできたらな……とずっと思っていたんです。
吉田:私は成人式や結婚式といった記念日に、写真撮影をされるお客さまのヘアメイクを担当しています。着物の着付けだけでなく、アイシャドウとおそろいの色のお花を使って、髪の毛をきれいにまとめてあげるお仕事ですね。このように、メイクだけにとどまらず、ご衣装からヘアアレンジまで、お客さまをトータルにコーディネイトするプロフェッショナル、それがヘアメイクアーティストです。
大川:私は主に、ドラマやCMに出ている女優さん、雑誌に載っているモデルさんのメイクを担当しています。ヘアとメイクはそれぞれ別の人が施すこともありますが、私はスクールで勉強したことがあるので、違和感のないメイクを完成させるために、ヘアも一緒に手掛けることがあるんです。
吉田:いつも流行の最先端をチェックしていなければならず、大変なこともたくさんありますが、その分、日々新鮮な驚きと発見があり、やりがいも抜群です。
吉田:簡単に言うと、ヘアカットやヘアカラーを許されているのが美容師、ヘアアレンジをするのがヘアメイクアーティスト、というようなイメージを持っていただくとわかりやすいかと。中には私のようにヘアメイクアーティストと美容師を兼任している人間もいますし、あるいは特定のプロダクションに所属している人なんかもいるので、一概に「この人!」とは言い切れないんですけどね(笑)。
大川:そうそう。民間資格しかないから流動的なところがあるんですよ。フリーランスはお給料や福利厚生などの面から、リスクが大きいと思われがちですが、自分の持ち味を使って勝負できるので、無限の可能性を秘めていてとっても刺激的ですよ! 同じ仕事をしている仲間たちも、前向きでエネルギッシュな子が多いので毎日楽しいです。
吉田:よく「美容師よりもヘアメイクアーティストになるのは難しい」と言われますが、「この資格さえ取ればヘアメイクアーティストになれる!」という決まったルールがないのがその原因だと思います。実際に同じ仕事をしている仲間たちに経歴を尋ねてみても、美容師からヘアメイクアーティストに転職した人から、留学した後すぐに活動を始めた人まで十人十色です。
大川:自分がどういうメイクをしたいのか、そのためにはどういう勉強をすればいいのか、って考えて、それぞれ自由に選んでる感じだよね。
吉田:うんうん。
大川:ちなみに私は一番多いパターンだと思うんですが、ヘアメイク系のスクールを卒業してから2年間アシスタントとして働き、その後メイクアップアーティストとして独立しました。今でこそ堂々としてますが、最初の頃はいざヘアメイクも手掛けるとなると、「やっぱり美容師の資格を持っていた方が良かったかも……」と不安になることが何度かありましたよ。
吉田:そうなんだ? でも、美容師資格を取ってからヘアメイクアーティストになると、結構時間がかかるんだよね。業界のカラーも全然違うし……早めにヘアメイクアーティストのノウハウを掴みたい、という人はアシスタントルート、基礎からしっかり固めたい人は美容師ルートがおすすめかな。
大川:そういうことになるのかなぁ。とはいえスクールに通っている間に、ヘアメイクの認定資格と着付けの資格はマスターできたし、アシスタントとしての経験を通して、接客スキルも同時に身につけられたから、今では良い経験をさせてもらえたなぁ、というのが率直な感想です。とにかく自分の足で出かけていって、引き出しをたくさん作っておく姿勢が第一なんですよね。
吉田:単純ですが、お客さまから「こんなにキレイにしてくれてありがとう!」とお礼を言われたときが一番嬉しいです。他にも、お客さまとの会話を通して知識が広がったり、その後のヘアメイクのヒントをもらえたりするので、たとえ些細な会話でもひとつひとつが大切な宝物です。
大川:私もクライアントの要望が叶えられた、とわかった瞬間が一番ですね。その他、同世代のカメラマンやスタイリストとチームを組み、プロジェクトに取りかかっているときなど、楽しかった思い出は挙げていくときりがありません。吉田さんの言葉とダブってしまいますが、人と人の繋がりが相乗効果を生んでいく瞬間に喜びを感じます。
大川:仕事を始めた当初はそこまで気になりませんでしたが、立ち仕事ゆえの悩みといいますか、年齢とともに腰や膝に負荷がかかるようになりました。
吉田:仕事内容だけ見ると華々しいイメージが先行しがちですが、実際はとにかく体力勝負の仕事です。年齢に関わらず、どんな環境でもいっぱい食べてしっかり休める、そんなバイタリティが必要だと思います。
吉田:もちろんセンスや技術も大切ですが、先ほど述べたようにヘアアレンジは接客業ですので、コミュニケーションを通していかにお客さまとの距離を縮められるかがキーになってきます。
大川:確かに。フリーランスという立場上、次の仕事を手に入れられるかどうかは、相手の信頼を得られるかにかかっているところもあるので、人と話すことが好きな人にはおすすめですよ。皆のスターと気さくに話せる機会なんて、これを逃したらなかなかないし!(笑)
吉田:仕事に慣れてきた今は、照明の当たり具合によってメイクの色が全く違ってしまうこともあるので、先を読む想像力を身につけていきたいと思っています。
大川:私は出演者の個性に合わせて、メイクのタッチを柔軟に変えられるようになりたいですね。
吉田:そうですね。いずれにせよセンスや知識だけではなく、経験だったり、失敗をバネにするだけのガッツとタフさが大切です。最後に信じてあげられるのは自分だけだということをどうかお忘れなく!
大川:メイクアップアーティストと同様、ヘアメイクアーティストはゴールのない仕事だと思います。気持ちの持ちようによってはいつでもスキルアップする機会に恵まれているので、貪欲にチャレンジし続けたい人にぴったりの仕事だと思います! 自分が担当した人が広告に掲載されていたり、ステージに立っているのを見るのは何度経験しても心が踊るものです。ぜひ私たちと一緒に仕事をしましょう! 私たちは情熱的な仲間と出会えるのを楽しみに待っています。
吉田:ヘアメイクアーティストは、 自分のヘアアレンジを通してお客さまに笑顔を届けることができる、大変魅力的な仕事だと思います。はじめは慣れないこともあるかもしれませんが、いつか絶対に「この仕事を選んで良かった!」と思える瞬間がやってくるはずですので。どうか諦めることなく夢に向かって突き進んでください。